期間工になるのはやめたほうがいいのか?

ふと思うところがあり、いただいたコメントから記事を書いてみようとおもいました。 私個人としても、このサイトを見て、もしも目を輝かせている若者がいるならば、「消去法で残ってしまったときの道としてとっておいて、まずは目標にチャレンジしたほうがいい」と強く言いたいほどです(苦笑)。

期間工という選択肢の是非

期間従業員は短期契約、非正規雇用とはいえ履歴書に書くことができる職歴の一つであるのは間違いありません。

簡単になれるし簡単に辞めることができる、簡単に稼げるけれどもおすすめはできない

あくまでも個人的な意見でありますが、期間工という選択肢は正攻法に非ずです。

期間従業員とはセーフティネットのようなもの

個人的に思う印象としては、期間従業員は人間再生工場、または人生を見つめなおす機会です。

年収400万円が手っ取り早くもらえる仕事という側面だけをとらえるならば、こんなに理想的な職場はありません。お金が欲しいという人であれば真っ先に思いつくであろう仕事が期間従業員でしょう。

その一方で何度も書いてきたように、自由に対する喪失感はぬぐえません

僻地に強制移住させられ、移動手段も限定させられ、娯楽も限られる中で、2年11か月をいかに過ごすかという問題は決して小さくありません。そこまでしてでも3年弱で800万前後を貯めたいと思う人ならそれもいいのかもしれません。

まぁ自分から志願しているわけですから強制させられる、という表現には語弊がありますが・・・。

いずれにせよ期間従業員の募集広告を見ても「収入の良さ」にひかれる人は相当数だと想像しますし、人間性によほど問題が無い限り(トヨタ以外なら人間性に問題があっても入れるかもですが)、能力に関係なく誰でも入ることができる、セーフティネットだと思うわけです。

期間工をなぜおすすめしない理由

個人的になぜおすすめしないかについては、一言で言い表すのは非常に難しいのでいくつかにまとめます。

1.縁もゆかりもない土地で人生を停滞させる

まず明確な目標が無い限り、自動車産業で非正規雇用となる事にメリットは無いと考えています。

人生を本気で考えた時に、40年ほどしかない労働時間の中の3年弱をただ一つの工程に特化して過ごす事は無駄でしかありません。

前々記事で書きましたように、トヨタのノウハウを少しでも吸収しようとか、資金を貯めたいとか、または正規雇用への足掛かりにしようとする以外、この期間に意味を持たせる事はできない。

一番よく聞く話は「現状維持」と「時間つぶし」ですが、これは履歴書を傷つけるだけでまったくナンセンスだと思っています。

前の仕事を辞めて次の仕事をするまでの熟考期間、などと言う期間工も知っていますが、それは転職の仕方が明らかに間違っているわけで、本来は前の仕事を辞める前に次なにするか決めるべきで、突然経歴に共通性のない「期間工」が出てくる履歴を持つ人を、はたしてあなたが社長なら雇いたいですかという話です。

縁もゆかりもない、さらには帰宅してもたいして何もしない生活をしていて、次にやりたいことなど見つかるはずもなく、また見つかったとしても3か月や半年単位で束縛される環境は、人生の無駄遣い。

2.環境がすこぶる悪い

これは居住環境とか労働環境とかの話ではなく、期間工同士の問題です。

明確な目標を持っている=前向きとするなら、周囲には溜め息や下ネタ、愚痴、不平不満を口にする後ろ向き人間が恐ろしく多い。

人間関係が恐ろしく希薄で、共通の目標を持つ人を見つけるのが果てしなく困難。また次への準備をする時間はあっても、何かに取り掛かろうとする時間までは難しい。

何と言っても僻地なわけで、移動手段も限られる。ネットでできる準備ならまだしも、何をするにも人並み以上のアクティブさが求められる。

気がつけばその他大勢と混ざり合い、当初の目標を見失い、新たに生まれる目標が「早くここを出よう」になる。

3.健康と仕事へのプレッシャー


1番目の内容とかぶりますが、3か月であれ6か月であれ2年11か月であれ、いずれは満了が来ます。そうなると次なにしようか、という問題に常に頭を悩ませる事になります。

ここにいると実質土日しか自由がありませんから、土日で転職活動を行うか、満了後いつ決まるとも分からない就活期間に突入するかの二択をチョイスさせられる。

また、思ったよりも就活が難航し、やむなく別の期間従業員となる人も少なくありません。

それから、1日でも休むと満了金に大きく影響するので、休めない事へのプレッシャーは果てしなく大きいです。

遅刻にしても早退にしてもそうで、自分の体調管理に絶対的なストレスを持つことになると思います。もちろん他の職場でも変わりない事ではありますが、慣れてくる頃に、油断した頃に遅刻したり風邪ひいたりする。

特に月をまたいで病気になると最悪で、満了金が2か月分消えたりする。そうなるともはやなぜここに居るか分からなくなってくるわけです。だって満了金がなければただの時給1287円。

そんな職場、ごろごろあるじゃないですか。

だからセーフティネット

いただいたコメントに戻って、「消去法で残ってしまったときの道としてとっておいて、まずは目標にチャレンジしたほうがいい」というのは私の考えと全く同じ。期間工となる事については全く否定しないものの、ここに来る意味がある人はそういないんじゃないかと思うわけです。

何かほかにやりたいことがあるものの、それを達成するにはクリアしなければならない事があるが困難なので期間工になるのはアリです。たとえば開業したいが自己資金が無いから手っ取り早く稼ぎたいとか、シャバは誘惑が多すぎるので自分を強制的に駆り立てたいとか。

周りを見ていると「パチンコや酒たばこで生活費の工面が大変だけど、ここなら食う寝るには困らない」から期間工という人があまりに多い。ネットゲームの課金中毒も多いし、風俗好きも多い。生活が破たんしかけている人が生きるために期間工になるケースがすごく多いのだけれど、そのこと自体に意味は無いように思えてならない。

単純に楽して稼げるから選ぶ、という事は、その後の再就職が困難になるだけだから、人生レベルで負のループにはまることになるリスクを伴っていると理解するべき。

目標がある人は、ほぼ日で何やってんだろうと悩む事を覚悟したうえで来るべき。

ともかく安定が欲しいから正社員目指すという人は今すぐにでも応募するべき。

期間従業員は就職難民のセーフティネットであって、収入がいいからとほいほい来ていいものではないよ、という話でした。
あくまでも一個人の見解です。

期間工生活を再就職で生かす方法

半年なり1年なりという期間は、通常であればまったく評価されないどころかマイナスイメージになる履歴です。

ですがアピール次第でこれが強みになるかもしれない事を自覚する人はほとんどいません。

まず理解するべきは、正規であれ非正規であれ、勤める会社は同じ大企業であるということ。トヨタであれホンダであれデンソーであれ、そのノウハウは他の会社がお金を出してでも欲しいものであるという事。

すなわち「○○で得た技術やノウハウを御社の~~で活かせる自信がある」というアピールにつなげること。最終目標は再就職先の会社であったが、そこで活躍するためにあえて○か月実績を積んできた、というアピール。

幸いにも会社都合による退職になるので、自己都合ではないことを事実として伝える事ができるのも期間工の強み。

エンジョイ期間工ライフ!

追記:満了から1年が経過して思うこと

この記事を書いたのは、未経験から入社して、期間工歴4カ月ほど経ったときの感想です。

今、この時の記事を見て、共感する部分、共感しない部分があるので、そこに少し触れたいと思います。

期間工4カ月目の記事に共感すること

期間工はセーフティネット、というのは確かに間違いありません。今でも、例えば借金で困っている人がいるならばトヨタ期間工はおすすめすると思います。

また社員登用試験を受けるという目的で期間従業員を目指すというのは、むしろ応援するくらいのスタンスです。

ですが目的なく期間従業員で居続けるということは少し問題だと思います。

歳を重ねるごとに採用が難しくなる

目的なく働いても20代や30代はいいんです。問題は40代以上です。採用されないとは言えませんし、実際に大勢働いているのです。ただやはり体力勝負なので、面接官の基準はどんどん厳しくなる可能性があります。

もちろん過去の経歴は重視されるのだと思いますが、例えば1度腰痛で途中退職してしまったり、入院が必要な病気をした後での再雇用は未知数です。

それよりも、20代30代のうちに何かしらスキルを得て、継続雇用が前提の就職を選択するほうが、人生のリスクは低くなると思います。

期間工ではスキルを身に着けるには、自分から学びに行かなければならないので、いつかどこかのタイミングで仕掛けなければ、期間工にもなれない状況がやってくる可能性もあるわけです。

年齢35歳にして思うこと

35歳になり、今でも何かあれば期間工に戻れる、という自信はあります。その点では過去に期間工を経験して良かったと思います。

ですが、社員登用試験を受けるタイミングは逃していると思っています。

そういう意味では、未来に持ち得ていたセーフティネットを一つ失ったと感じます。

就職試験はどうしても35歳が一つのハードルになります。20代のほうが圧倒的に有利なのはどの世界でも同じです。

だからもし、少しやんちゃしたいけれど、将来的には安定した生活を送りたいと願うならば、社員登用試験をできれば34歳までに受けておくべきだと思います。

前回の記事にあるように、面接で使える期間工を再就職に活かす、という事も20代ならば通用するでしょうが30代以上になってくるとどんどん厳しくなるでしょう。

年齢的なハードルは確実に存在するので、そうした情報は常に仕入れておくようにしておきたいものです。

記事に対して共感しないこと

まずお詫びです。「1.縁もゆかりもない土地で人生を停滞させる」の項目、自分で読んでも意味が分かりません(汗

というより、全体的にブログに慣れてない感が半端じゃないですね。読みづらいだろうと思います。

期間工って、20代はほんとただお金が欲しかったんで、でいいと思うんです。年間400万円を貰える仕事って、日本の平均的な年収なんですけど、学歴無しで20代から入ると大体300万円がラインになってくるので、そういう意味では賢い選択なんですよね。

職歴に関して言えば、20代のうちに出来るだけ大きな会社で働いたほうが良くて、それは真面目にやれば自分の基準にできるので役立つんですよね。

ただ社会全体がトヨタ以下だから、こんな仕事環境でやれるか!で戻ってくるんですけど。

だから働くなら何か得てやろうとか、何か学んでやろうと思いながら働けば、全然悪くないんですよね。お金の使い方もある程度知ったりして、人間的な魅力を上げて。

仕事を2年11カ月やりながら、自分と向き合って、本当は何がしたいんだろうと考え続けたり、何が足りないのかを見つけたり。それって20代の特権なんですよね。

40年のうちの3年間の仕事人生をトヨタ自動車で過ごすって、これなかなか無い経験です。期間工だろうと、そこで行われる教育や指導は、間違いなく世界のトヨタなので。だから期間工=停滞とは言えないんですよね。

何か目的を持ちさえすれば、期間工って凄く恵まれた環境だと思うんですよね。2年間勤めましたが、環境は悪いとも言えなかったです。もちろん元町工場だからかもしれませんが、知らない土地を知れましたし。

この記事書いてるときって隣の部屋が北海道から来たゲーマーでドアバン野郎だったからストレス大きかった時期なんですよね。ご容赦ください。

ただ、ほんと目的がなければ学び得ることがほとんど無い、スキルになることもほとんど無いんです。それは間違いないですから、何となくの目的で赴任するのは、今でも反対です。

反対なんですけど、それってどこだって一緒だと思うんですよね。職歴が3年未満だからどうこうって言う人はいますけど、職歴にならないアルバイトを同じ期間して空白にするより断然いいと思うんです。

3年以上勤められる会社に就職したって、目的なく働いてたらスキルは身に付くはずもなく一緒なんです。だから目的を持つ事が大事。それはこの記事を書いた時も、満了から1年経過した今も変わらない考えです。

満了後1年経過した結論、期間工は目的をもってやろう

という事で、満了後1年経過した今、期間工はやめたほうがいいのか?という疑問に対しての答えは、何かしら目的をもってやれば最高の環境だと思う、という事です。

スキルを得るでも、トヨタ流を盗むでも、資格を取るでも、人脈を作るでもいいです。副業を本業にできるようにするでもいいです。何か目的があって、満了してすぐに動き出せそうなら、期間工は本当に良い職業だと思います。

ずっと居座り続けようと思うなら、やめたほうがいいです。ただこの期間を活かして次につなげようとするなら、どんどんやるべきだと思います。

今が楽しければっていう考えも、20代なら許されますからね。

そういう意味では、締めの言葉は変わらずでしょうか。エンジョイ期間工ライフ!ということで。