仕事で失敗に悩んで嫌になった事ある? | トヨタの失敗学 「ミス」を「成果」に変える仕事術レビュー

「もちろん現場では、不良やミス、トラブルは日常茶飯事」

衝撃的な書き出しで始まるOJTソリューションズ出版の書籍。さすが関連会社、現場をよくわかってらっしゃる。

ちなみにOJTソリューションズの紹介ですが、アマゾンから抜粋すると、

OJTソリューションズ:トヨタとリクルートが設立したコンサルティング会社。在籍40年以上のベテラン技術者がトレーナーとなり、豊富な現場経験を活かした人材育成、変化に強い現場づくり、儲かる会社づくりを支援。製造・食品・医薬品・金融など、さまざまな顧客企業にサービスを提供。

トヨタの失敗学 目次

  • トヨタの改善は「失敗」から始まる
    1. 失敗は改善のタネ
    2. 「真因」をつぶせ
    3. 最初の一言は「何が起こった?
    4. 責任ではなく、対策をとれ
    5. 誰がやっても失敗しない「しくみ」をつくる
  • 失敗を「視える化」する
    1. 失敗は隠れるもの
    2. 「放置」は悪である
    3. 「問題がない」が大問題
    4. 「止まる」ではなく「止める」で問題が見える
    5. 「止める勇気」をもて
    6. 「自分でなんとかする」が問題を見えなくする
    7. 「基準」をもつと問題が見える
    8. 「現地・現物」で問題をあぶり出す
  • 失敗を「成功」に変えるワザ
    1. 「標準」で失敗が激減する
    2. 安全と品質は「ルール」で守る
    3. ミスを未然に防ぐ「定点観測」
    4. 「見えない仕事」こそ誠実であれ
    5. 「できるはず」「わかったつもり」が失敗を生む
    6. わかったつもりは「座学+実践」で防ぐ
    7. よその失敗を「自分の失敗」と考える
    8. 「で、どうするの?」で未来の失敗を防ぐ
    9. 仕事のリズムが悪い時は失敗が起きやすい
    10. 自分がコントロールする領域を広げる
  • 失敗を活かすコミュニケーション
    1. 「後工程はお客様」と考える
    2. 「答え」は教えない
    3. 失敗は書き残す
    4. 仕事の「意義」を伝える
    5. 苦手な相手ほど話しかける
    6. リーダーの「大変だ」が失敗を呼ぶ
    7. 相談されやすい環境をつくる
    8. 「相手目線」で仕事を振る
    9. 人を育てられない「いい人」には要注意
    10. 「言い訳」を聞いてあげる
  • 失敗こそが創造を生む
    1. 失敗するから成功できる
    2. 「プロセス」にスポットを当てる
    3. 新しい仕事は失敗が当たり前
    4. 「元に戻す」ならダメな理由を考える
    5. 「巧遅拙速」から100点を目指す
    6. 「挽回できる場」をつくる
    7. 「あきらめない」が創造を生む

    トヨタ工場の社員希望者は絶対これ買っとけ

    今まで紹介した本も読んでおくべきとは思うんだけど、今までの本はどちらかというと事務作業の進め方の話に近かった。

    でも今回の本はまさに現場で生きる本。失敗を視える化、止める呼ぶ待つ、放置は悪など、現場で聞かれる内容が盛りだくさん。

    現場の改善活動などでもっと活躍したい場合、ある種マニュアル本のような役割を担ってくれるような1冊です。目次見ればわかるとは思うけど、これは役立つ。職場における自分の基準になるはず。

    期間従業員の段階って職場内での教育しか受けられないから癖っ気がつくこともあるけど、この本は標準化・凝縮された内容かつ網羅性も高いように思われる。

    何より40年以上現場に在籍した人たちが監修しているわけだから、大先輩の教えを武器にできるなら、買わない選択肢はない。一つ一つの内容はさらっと書いてあるけど、正直これ凄いノウハウ出してると思うし、書いた人にしてみれば相当力入れて作った自信作だと思う。現場の全社員に読んでほしいっていうくらいの意気込みも感じるくらいに。

    「あぁ確かにこれがトヨタの現場そのものだな」というのが率直な感想。トヨタで働く人のブログだからトヨタの本をって思って書いてるけど、正直これは買って良かった。

    失敗しない方法・失敗から学ぶ方法

    トヨタのライン工なら、トヨタのラインがちょこちょこ止まるのを経験していると思います。

    工場で働いたことがないに説明すると、トヨタの工場ではコンベアで車(またはパーツ)が流れてきて、部品をつけたり作業をして、完了ボタンを押して次の工程に流す、という作業を繰り返しているんですが、前後の工程や自分の工程で問題があると、コンベアが止まるんです。

    止まる時間は工程によって、また発生する問題によって異なるので、止まらない日もあるんですが、私の工程だと1日に5回くらいは時間の長短はあれど、機械トラブルと人的ミスで止まります。在庫切れで止まることもあります。

    止まるのは悪、止めるのは善。だから止める!呼ぶ!待つ!

    問題が肥大化して流れが「止まる」まで放置するのではなくて、問題があればその時点であえて「止める」、しっかり対処しようという意識がトヨタにはあります。

    その意識が失敗を防ぐ方法の1つ。止める・呼ぶ・待つ という言葉はトヨタマンなら誰もが知ってる名フレーズですが、これは現場では怪我をしないために、という目的で教わることが多いのですが、そもそも問題をあぶり出すための方法論だったんですね。

    トヨタメソッドが盛りだくさん

    本書は止める呼ぶ待つ、というようなトヨタのフレーズがたくさん書かれています。また具体的な例が用いられているので、理解もしやすい。

    「答えは教えない」「やってみせ、やらせてみせて、フォローする」という教育に関する内容であったり、信頼しても信用してはいけない、という仕事のスタンスの話だったりとにかく話題豊富で面白いです。

    ちなみに私が新卒入社した時には会社の人事から「頼りにはしてないけど期待はしてる。頑張ってくれ」と言われましたが、それも同じような意味だったんだろうなぁと、本書を読みながら感慨にふけりました。

    さておき、この本は社員やチームリーダーも一読すべき内容が詰まっていると思う。トヨタ自動車はもちろん、その他の会社の人でも比較的すんなり入ってくる内容だと感じましたし、取り組みやすくまとめられています。

    仕事のミスに悩んでいる人や、仕事で問題が続出している職場の人などは絶対読むべきと思う。

    特にアフィリエイトは載せません。だからこそ、この本がどれほどおすすめかが伝わるかなぁと思うので、気になる人は買ってみるべし。