正社員登用を目指す人が知っておくべき豊田綱領とプロ意識とは?

2019年3月31日

トヨタは正社員登用の窓口が広いから入りやすいという声がちらほらありますが、ある意味で正解だけどある意味で違うような気が少し。

上層部の声を聞く限り、ただ人が欲しいという事ではなくて、トヨタらしい人を選ぶというニュアンスがかなり強い。

トヨタ異例の内部事情の公開動画は絶対見ておくべき

今YouTubeチャンネルに INSIDE TOYOTA という番組が出来上がっています。入社希望者は絶対に見ておきたい番組だと思います。

このサイトでも良く言ってきたことですが、社長の言葉を知るというのは、入社する上での肝になることで、先日までは「バッターボックスに立って」というキーワードがありましたが、今年は少し違うようなのでまとめてみます。

豊田綱領とは?

豊田綱領は、トヨタの創業者、豊田佐吉が作ったいわゆる初代トヨタイズムです。

  • 一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を拳ぐべし
  • 一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし
  • 一、華美を戒め、質実剛健たるべし
  • 一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし
  • 一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし

言葉遣いは難しいかもしれませんが、「使命感と感謝の気持ちをもって一生懸命に働いて、自分を律しながら仲間と協力しながら未来を作っていきましょうよ」というニュアンスでしょうか。

トヨタで働く意義と目的

今回なぜこれが大事だと伝えようと思ったかというと、動画の中の社長の言葉として以下の部分。

トヨタ綱領というものをその時々に、その時の人が自分なりに消化した内容で解説をし皆に伝えていくものなんじゃないのかなと。トヨタ自動車で働く意義・トヨタ自動車で働く目的、トヨタ自動車というチームでプロになるには、この「チーム憲章」というか、そういうものを改めて言う必要性を感じた。

トヨタの経営層側の動画はいくつも確認をするんですが、やはりここ数年の自動車産業の置かれている危うさに対する危機感が強いように感じます。

簡単に言えば自動車の定義が変わる直前、という感じでしょうか。自動運転になり、動力源が変わり、これまでフォルクスワーゲンやルノーだけだったのに、第一汽車、上海汽車が勢いを増し、インドも強くなりつつあり、勢力図も大きく変わろうとしている。

面接の場でのアピール材料が変化

去年までは「バッターボックス」でしたね。確か新入社員の入社式で社長が語った言葉でもあったんですが、一緒に一丸となって戦おうという意味合いでした。

だから面接でもバッターボックスという言葉を使ったほうがいいよ、と記事に書いた記憶があります。

今年は間違いなく「危機感」ですね。豊田綱領は暗記で言えるようにしておいてもいいと思いますし、自分なりの解釈は持っておく方がいいと思います。

トヨタ自動車におけるプロフェッショナルとは?

特に「あなたにとってのプロとは何か?」という質問には備えておくべきだと思います。この「プロ」は組合側からも経営側からも出ていた言葉なので。

ちなみにルロワ副社長がプロフェッショナルについての定義を以下のように述べています。

プロフェッショナルとは、世界で何が起こっているのかを把握する力であり、自分たちの仕事・製品をより良くする術を理解する力のことでもある。「もっといい車」は競合のマネをしたり、少しだけ優れていればよいのではない。

第2回労使交渉動画より

これは寺師副社長もプロについて言及されていたので、トヨタとしてかなり「プロ意識」にこだわる1年がスタートしたのかなと感じます。

期間従業員でもプロ意識をもって働く

私はこういう動画や本が出たら、自分だったら評価基準項目をどう作るかを逆算します。今求められる人材を演じられれば、合格する可能性が高くなるから。

そういうところから今後評価される働き方を考えると、創意くふうは数をこなし、質にもこだわっていること、向上意欲があり、会社やチームのために自己犠牲の精神を持っていること、周囲とのコミュニケーションを積極的に取り、個としても集団としても成果にこだわること、あたりが評価ポイントになるかなと。

これは、「プロとして成長し続ける人を応援する」「努力している人が報われる仕組み」というところからも、方向性はそちらに向くのでは?という予想からいえることです。

そういう意味では、多少年齢が高くても、努力が認められるものであれば、正社員登用は受け入れられる条件が整ったのでは?と感じます。

とはいえ、いきなり大きく変えられることでもないので、これまでのやり方(現場から指導される基本)はマスターしつつ、万一に備えるならこういう考え方がある、という程度に理解しておけば良いかと思うので、そこまであたふたする必要はありません。

言葉尻は違えど「経営者意識をもってやる」っていう2010年頃からの採用基準は根強いんだなって感じでもありますしね。

正社員登用を目指される方が、無事に合格できる事を願っております。

「あなたにとってプロとはなんですか?」

「あなたが今身に付けたい能力はなんですか?」

「あなたが今現場で課題だと思っている事は何ですか?」